シャア専用ブログ

通常の3倍

06/02/12-23:41

ガンダム見るならアニマックス 富野由悠季×Gackt×福井晴敏 スペシャルトークセッション:シャア専用ブログ

福井
お疲れ様でした。

富野
疲れました。

Gackt
お疲れ様でした。

富野
ありがとうございます。

福井
ちなみにまだ、今日の時点で出来てないんですよね?

富野
昨日ダビングが終わりました。
アニメの世界の大変悪い所なので、未だに画は全部埋まりきっていない。
けれども、話は分かるでしょ。
どうでした?

Gackt
率直な所、まずガンダムファンっていう目線で観た時には色んな印象、
見終わった後に色んな言葉の遣り取りがきっと繰り広げられるんだろうな、っていう印象ではありましたけどね。
純粋に面白かったですよ。

富野
本当にそれが一番の評価でしてね。本当ありがとうございます。
でも福井さんは、2部の時、1部もそうだけど「俺だったらこうする」って散々書いた人だから。

福井
TV版におけるカミーユ・ビダンという主人公。
彼っていうのは、どんどん最終的には追いつめられて崩壊していくっていう流れじゃないですか。
でもそれが、カミーユっていう人間が物事を大きく受け止めて、っていう方向に流れて行こうとしている。
そうした時に、物語って、ここからスタートした人間が、上に行くのか、下に行くのか、両方物語の種類としてあると思うんですけれども、
カミーユって、スタート時点から平行線になっちゃうんじゃないかな、っていうのがあったんです。
そうすると三部作の主人公っていうときに、彼を果たして中心に、ずっと三部作追いかけて観ていくっていう事に価値があるんだろうか、っていうとこがきになったとこなんです。
ところが、これは終わりよければ全て良しで。
「あっ、ここに辿り着く為に映画化のカミーユはああいうキャラクターだったのか。」
本当に平行線でなくて、逆に真ん中にカミーユが居たお陰で、全部そこに収斂していく事が出来た。
話の筋運びとか、そういうものっていうのは基本的にTVと一緒なのに、よくもまぁ、あそこまで変えたな、新しい物語にしたなと。
それが本当にやっぱり、ちょっと感動しましたね。

富野
ありがとうございます。
僕も実を云うと1部目を纏めた時に、こうまで綺麗に3部まで纏まるとは思って無かったんですよ。
本当に2部の時一度この仕事辞めようかと思ったし、実は3部の真ん中位までやった時に、コンテで整理している時に、
もう絶対にダメだから、本当に辞めようかと思ったの。
基本的にエンディングがきちっと予定は立ってはいたんだけども、TV版の構造があんまりにもガヤガヤしているので、
それをそぎ落とす作業が3部になった時に、遂に出来そうになくなったっていう時期が一年前夏の前にあって。
正直それが辛かったの。
ところが本当に昨日ダビングが終わった所で云うと、え、何が辛かったのか絶対に分からない、っていう所まで、
云ってしまえば練りこんじゃってあるという意味では、正直自分でも見事だなと思ったし。

福井
力業。

富野
あれ多分力業なんですよね。気分では出来ない事で。
だから本当それを読み解いて欲しいと云いたいのは作り手の希望でしかなくて。
TV版をやった時の気分で云う、要するに幽霊話と云っちゃってるんだけども。
本当に自分がどこかで鬱の頂点に立っている所で、世間に対して「え、お前らうるさいよ」
って云った様な気分で作っちゃったっていう意識が凄くあったのね。
それが全く違う形で表現できた。使ってる画も部分的にしか変えてなくて、
ここまで気分が変えられるっていう意味では、カミーユの事もさることながら、
本当にダビングの時に、かつて死んでいった人達の声が聞こえてくるっていう事が、あんなに気持ちの良いものだ、っていう事が、
やっぱりこれはありがたかったし。
Zに出てきたキャラクター、概ねみんな好きになりましたもんね。
良い形でみんな纏まってくれて。
だから、そういう意味では、まさかこんな事云うとは思わなかったんだけども、
登場キャラクターに対して良い供養になったな、っていう感じ。

Gackt
それは良い事。

福井
それはピッタリとくる。

以下続き。

富野
三部作をどう纏めるかっていう、最後の半年間の仕事で、どういう風に配分をしようか、っていうのが一番辛かった所なんですよね。
だけども、纏め過ぎたっていう気配も無きにしも有らずだけども、僕はああいう風で良かったなと思う。

福井
ストーリーを語る上では無くても良いだろうっていう要素をピックアップして並べてみたっていう、
その遣り方っていうのは俺はIIの時なんでこうすんのかな、っていうのがあったんだけど。

Gackt
それは僕も同じ印象だったから。

福井
でもIIIまで観ると、分かりますよね。

Gackt
IIだけ観ると非常にそこが目に付いちゃって。
何で敢えてこの作り方にしたんだろう、っていう事に疑問が凄い残ってしまう。
IIIを観た時に結果、あ、成程な、っていう形になる。

富野
2部の時に一切抗弁しなかったのは、いや、終わってない途中でグダグダ云うのはみっともないから他人にそれ云うだけで我慢してたんだけど。
今お二方の感想聞かせていただいてほっとしてます。
ただ、そうなるとやっぱり悔しいよねと思うのは、一本ずつ観られる映画にしたかったのよね。
それが出来ない構造というのはしょうがない。悔しい。悔しい。
それが一番大きな理由だった。きっと放り出したくなったってのは。
何でちゃんと一本ずつ作れないんだっていう。

Gackt
もちろんそうなんだけど、それだと三部作、三作目がまた今度違う形になっただろうし、
三作目がこの形になったのは二作目がああだったからのは事実だから。

富野
当然だけど作業的に、まず投げ出した後の代稿ってのは一応出来上がる訳だから。
それで2部に逆算して整理した部分もあったわけですからね。
分かり易い事で云うと、サラはあれだけ入れておかないと3部では見えなくなっちゃうから、っていう様な事があって。
どうしても外せなかったとか。

福井
本当に手触りとして優しかったですよね。
本当にだから面白いもので、人が作るものって作った人間のその時の気分が共に出るなって。

富野
だから、Gacktには申し訳なかったんだけども、最後の最後の曲、あの置き方で良いでしょ?

Gackt
出来上がった後だからw
ただやっぱり、もし自分がそこに入る作業の立場として入っていたら、(ここ何云っているのか分かりません…)ってのは出たけども、今は…

富野
僕が最近新曲を聴いて、この曲もアリだったかもしれないな、ってGacktがそこに居て作ってるんだよな、っていうのを分かるけれども…

Gackt
それでも事実としてニュートラルに受け止めているから、今それをどうのこうのっていうのは無いし、
監督がこういう風にやったんだな、っていう事を僕は受け止めたっていう事だね。

富野
うん、それと僕は、やっぱりもう二年経つよね?
「Dybbuk」っていうのを指定しておいて、エンディングロールを考えてダブるというのがあったんです。
それは実を云うと劇中がああいう風に終わっていく訳だから、旧作つまりTV版であったテイストをなんとか残したいという欲もあったわけ。
って時にあの曲だったら、それは救えるかもしれない、っていう部分があって。
それでGacktの(ここも分からん)だけども、こういう曲で、こういう曲で、って提案もありはしたんだけども、本当に申し訳なかった。

Gackt
全然、全然。

富野
ブレなかった?
自分がこの二年間居たっていうのも確実にあったので。
あの曲に出会えたってのは、僕にとっては絶対に上手くあそこに落とせるっていう確信はあった。
ただ、やっぱりあの、そうは云っても三部作がああいう勢いで、今度はあの曲にたどり着けるまでの強さを持てるか、
それはダビングやるまで分かんなかったから。
それがちょっと怖かったなっていう事はあるけれども。
その辺に関しては観客の立場から観てて、Gacktの二曲はああいう置き方で凄く良かったでしょ?

福井
あの最後の曲だったら、もうバッチリでしたね。

富野
だけどあそこは本当に幾つかの案を当然考えもしたんですけども、(Gacktの方を向いて)ああいう風に収める事が出来たっていうのは本当にありがとうございましたっていう事と、

Gackt
いえ。

富野
いや、むしろ申し訳ない、この一年の新曲を無視して済みませんでした(頭を下げる)。

Gackt
いえいえ。全然全然。

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