シャア専用ブログ

通常の3倍

06/03/01-23:36

ファミ通2006年3月24日号 富野×Gackt対談・インタビュー:シャア専用ブログ

『ガンダム』は世代を超えた挨拶に
富野 「機動戦士Zガンダム」が放映されてから20年経ち、当時の観客たちは成長
して社会人になりました。Gacktのような世代が出てきたことをうれしく思います。

Gackt 「ガンダム」が共通語になってコミュニケーションできる世の中になった
のが、すごいなと思った。最近、仕事で初対面の人にいきなり「Gackt君は、連邦
派?それともジオン派?」って聞かれて、速攻で「ジオン」って答えて…(笑)。
僕がガンダムを好きだと知っているからだよね。ブライトの気持ちがわかるように
なって、そうか、僕たち年をとったな、というように、あるシーンをどう捉えるか
を話すことで、その人の考えかたがわかるし、自己紹介にもなるんだよね。

富野 そういった世代に、ラブソングである「Love Letter」が流れる、新しい
エンディングを受け入れてもらえるだろうか。すごく心配したけれど、第1部、2
部に引き続き、Gacktに背中を支えてもらいました。

Gackt 劇中では、けっこう、“女性性”っていうのかな、それが描かれているんだ
よね。自分自身を見出そうとしても、すごく不安定で、精神的な強さを持っていて
も、芯がグラついたりして。登場キャラクターたちが持っている、そういった情念
や信念みたいなものを、第3部では注目してもらえればいいんじゃないかな。

富野 そう、うまくまとめてくれてありがとう!また背中を押してもらっちゃった
なぁ(笑)。


富野由悠季総監督 これが新訳のラストだ!

―このラストを描きたくて、劇場版3部作を制作したのですか?

富野 いえ、違います。描きたいという願望ではなく、描かなければならない、と
いう義務です。20年まえに「Z」が突き刺さった世代が、父親や母親になっていま
す。あるいはまだ結婚できなくて悶々としている方もみえます。当時「Z」が予見し
ていた内乱やテロリズムの世界が、9.11以降に現実になってしまいました。その
現実を突破しようと考えている彼らに、「物事の考え方を決定的に変えるのではな
く、物事の見方を半歩ずらすだけで、破滅や外界からのプレッシャーを回避できる
よ」、と伝わってほしいし、このラストだったら自分の子供にも新訳「Z」を見せて
いいかもしれない、という共感を得られるでしょう。そういう確信があったからこ
そ、あのラストにしました。

―シャアの有名なシーンがあっさりカットされていたのですが……

富野 そこは、意識的に落としています。人の情で繋いでいくという劇構成にして
いるから、理屈はいらないんですよね。それが大衆娯楽映画として正しい姿だと思
っています。

―監督にとって映画とは?

富野 僕にとって映画とは、みんなでオープンに楽しめる媒体です。映画のすごさ
や美しさは、『小さな中国のお針子』('03)や『みなさん、さようなら』
('03)や、すこし遡ると『青いパパイヤの香り』('93)とか、こういう系
譜の作品にあると思います。

―実写を撮りたいという気持ちは?

富野 当然、あります。映画を作りたいと思っています。映画は映画で、実写もア
ニメも関係なくて、ただ表現するための素材が変わるだけです。伝えたい内容は決
定的に変わりません。

―具体的な次回作は、ネット配信予定の「リーンの翼」ですね?

富野 これは、最初からネット配信ありきの企画です。僕は基本的に仕事師だし、
仕事をやって生活させてもらっていますから、いまさら作家や芸術家になろうと思
っていません。職人でいいんです。中途半端な作家の思い入れなんて無視できます
。自分の過去の作品に対してさえもです。傑作だったら書き直すことを周りも認め
ませんが、客も作り手も納得のいかない作品を書き直すという作業は、その時代に
むけて発表するためには必要なことだと思っています。

―20年まえの「Z」と新訳「Z」で得たものは、決定的に違うと思われますが、何
が最大の差異ですか?

富野 作品に表れているとおりで、ネガティブに終わらせていたものは、つぎのポ
テンシャルを与えてくれないけれども、ポジティブにすることで、つぎがあるかも
しれないと思えることです。「リーンの翼」の最終話を、何度書き直しても納得で
きず、すごく落ち込んでいたんですけど、「とにかく、やってみせなくてはいけな
い」というモチベーションを与えてくれたのがこの新訳3部作です。一生懸命やれ
ば、少しはなんとかなるらしい、ということを自分の仕事と作品をとおして教えら
れましたね。

―その感触や手ごたえは「∀ガンダム」のときとは異なりますか?

富野 全然違います。「∀」は、物語の中だけで納得していて、理詰めなんです。
つまり、頭だけの理解で終わっていて、体感するまでいっていないんです。新訳
「Z」と「リーンの翼」は、体感に落とせて、自分もやれそうって思えるまで持って
いけたと思っています。

―「逆襲のシャア」のリメイクの話も噂されますが、予定はありますか?

富野 やらないと思いますし、僕は断ります。というのも、僕だけの感触ではなく
、Gacktのような世代も、この新訳3部作で「逆シャア」に辿り着けるね、という
回答を得られたからです。だから、劇場版でいうと「ファースト」の3部作、「逆
シャア」、そして今回の新訳「Z」3部作が間に入ることで全7部作。これで完結
になるという感触を手に入れることができました。


早売り大好きっ子さん、ありがとうございます。

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