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06/04/09-23:27

めざにゅ〜ライブラリー 2006年4月6日放送分 富野由悠季さんの一冊 「来るべき世界」(手塚治虫著):シャア専用ブログ

■めざにゅ〜ライブラリー 2006年4月6日放送分 富野由悠季さんの一冊 「来るべき世界」(手塚治虫著)
司会進行 杉崎美香、高橋真麻 富野由悠季さんはVTR出演

杉崎 さあ続いては、めざにゅ〜ライブラリーのコーナーです。今回とっておきの一冊を教えてくださったのは、この方です。

富野 めざにゅ〜をご覧の皆さん、おはようございます。富野です。

高橋 今回は男子必見! あの大ヒットアニメ「機動戦士ガンダム」の生みの親、富野由悠季さんです。

(TV版ファーストOpハイライト〜TV版ファーストハイライト〜劇場版ΖGT-星を継ぐ者-ハイライト)

高橋 27年前に製作されたガンダムシリーズは、その後ヒットを続け、去年から、初代ガンダムの直後の続編「機動戦士Ζガン
ダム」が劇場版3部作として20年ぶりに蘇りました。

(リーンの翼ハイライト)

また最近では、ブロードバンド配信のアニメにもチャレンジするなど、富野監督の活動の幅は、65歳を過ぎても広がり続けてい
ます。

今回は、そんな富野さんに座右の書を教えていただきました。

富野 僕にとって一番大事な本はこれです。手塚治虫先生の「来るべき世界」。この本に出会ったのが、小学校5年生か、6年生
か、よく覚えていないんですが、生まれて初めて貸し本屋に行って…。漫画を借りる、ということに関してものすごく後ろめた
さがあったんです。小学校も上級生になったら漫画なんて読んじゃいけないっていうのが、僕なんかの時代の漫画の位置づけで
す。本当はこういう番組で紹介するときに、ちゃんとした小説みたいなものを紹介したいっていうのが、自分の自尊心としては、
やりたかったんだけども、どう記憶をたどってみても、これになってしまった…。

高橋 富野監督がここまで語った手塚治虫の「来るべき世界」は、相次ぐ原爆実験により生態系が崩れたことを発端に、あわや
第三次世界大戦が勃発しそうなる、という当時にとっての近未来が舞台。1951年、今から55年前に描かれた作品とは思えない、
世界観の大きな物語なんです。

杉崎 あの、大勢の方たちが、手塚治虫さんの作品に敬意を表しますけれども、富野さんもそのお一人ということなんですね。

高橋 そうなんですよ。

杉崎 小学生の頃は、漫画は読んじゃダメだって言われてたんですね。

高橋 そうですね。

杉崎 今はみんな読みますけどね。

高橋 ええ。さあでは、富野さん、どうしてこの本が心に残ったんでしょうか?

富野 物語の構造、それからキャラクター性、あの、僕自身が学習したのは、「鉄腕アトム」の時代に演出もやりながら、それ
からオリジナルのストーリーを書く仕事を始めました。そういうことをしていくなかで、「来るべき世界」にあらためて戻って
思えたのは、物語の構造が巧みである、ストーリーを展開していくうえでは、物語の構造は見せていないわけです。で、何を描
いているかというとキャラクターです。当時の手塚漫画のキャラクターというのは実は、「スター・システム」をとっているん
です。

テロップ 「スター・システム」とは?

富野 一つのキャラクターを名前を変えて別の作品に出すっていうことをしました。一つ一つのキャラクターを手塚先生は役者
と考えて、そして、その役者を、この作品ではこういう名前で、この作品でこういう名前でっていうふうに使っています。その
ことによって性格が極めて鮮明に表現されているっていうことです。

テロップ 手塚治虫とは?

富野 半世紀前にこれだけの構成力を持てている…。つまり漫画家じゃなくて、作家がいるなっていう…。年をとればとるほど、
なんで手塚治虫っていう、一漫画家が、まだたいして年もとっていないのに、こんなに大きな物語を、こういうふうに小さくパ
ッケージング出来たんだろうかっていうのは、やっぱり…謎です。僕にとっては「アトム」以上に傑作ですね、「ブラックジャ
ック」以上に傑作ですね。

杉崎 うわぁー。「アトム」以上に、「ブラックジャック」以上に傑作の作品という…。

高橋 おっしゃってましたね。

杉崎 富野さんがここまで大絶賛する作品を手塚治虫さんが22歳のときに描かれたということなんですね。

高橋 そうなんですよ。それがまた驚きですよね。

杉崎 22歳といったら、私たちがまだ大学を卒業する頃ですからね。

高橋 手塚さんがこれを22歳で描いたということを知って読むと、また違うと思いますよ。

杉崎 あと、キャラクターを役者のように思っているという、その表現がまた凄いなって。

高橋 おっしゃってましたね。「スター・システム」という…。一度、登場人物に愛着を持つと読みやすいですし…。

杉崎 そうですね。同じようなキャラクターがまた出てくると、わかりやすく読み進められますよね。

高橋 では、その「来るべき世界」から富野さんが、自身の作品にどんな影響を受けたのでしょうか?

テロップ ガンダムへの影響は?

富野 作劇をするっていうことを考えたときに改めて「来るべき世界」の話をさせてもらって思えるのは、端的に、その影響下
にいただろうって思います。僕の場合、ロボットものの主人公がいつまでもスーパーヒーローなんてのはつまらない…。

(劇場版ファーストT アムロの初期戦闘シーンハイライト)

一見普通に見える子が乗っちゃったんだよね、動かしちゃったんだよね、動かすことで何が起こるんだっていうふうに考えたと
きに、その世界観を描けるなっていうことがわかってくる…。それがガンダムにとってのアムロっていう少年だったんだけれど
も、キャラクターが面白くなかったら見ないよね?

(劇場版ΖGV-星の鼓動は愛- 予告編)

高橋 また現在公開中のガンダム最新作、「機動戦士ΖガンダムV-星の鼓動は愛-」では、主人公のカミーユがTV版のラストと
は違ったエンディングを迎えていることが話題を呼んでいるんです。

富野 公開させていただいている「Ζガンダム」に関して言いますと、一つのキャラクター性をどう考えるかっていことが、僕
にとって「新訳」を作るうえでのヒントだったんです。これは年をとったから思いつけたことなんですけど、おそらくものの見
方をちょっとだけ変える、つまり解釈をちょっとだけ変えればいいんだろうなって思ったんです。これを変えたら物語のエンデ
ィングが変わるだろう、これはまさにキャラクターの見方、作り方の基本だと思う。そういう意味では、とても面白い映画にな
っていると思いますので、まだ見てらっしゃらない方はぜひ劇場に足を運んでいただけると嬉しく思います。

杉崎 富野さん、とても魅力的な方ですね。聞いていてとても面白いんですが。

高橋 はい、そうですね。

杉崎 ガンダムをずーっと見てきた方にとっても、今回は新しいものの見方ができる、新しいガンダムが見られそうですよね。

高橋 はい、そうですね。

杉崎 ちょっと見たくなってきましたね。

高橋 はい。私たちも見たくなりましたが、はい、それでは今回、富野監督が教えてくださいました思い出の一冊、(第1巻、
第2巻)二冊ですけどね、「来るべき世界」をめざにゅ〜ライブラリーの中に収めさせていただきます。

杉崎 本当に女性ファンが増えるかもしれないですね。

高橋 はい、そうですね。主人公がポジティブになっているところもまた見どころでしょうね。

杉崎 心の変化が。

高橋 はい。

杉崎 はい、富野さん、どうもありがとうございました。

高橋 ありがとうございました。


劇場版Ζまとめ職人さん、ありがとうございます。

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