05/10/15-17:30
新オーラファンタズム:シャア専用ブログ
第1回「ティタニア(TITANIA)」電撃ホビーマガジン2000年10月号
出渕裕インタビュー
――過去の「オーラファンタズム」とはデザインコンセプトが変わっているようですが?
「怪獣から怪人へってところですかね(笑)。
フォルム的に人に近いような形に寄せて行くという感じかな。
今までのオーラバトラー的なフォルムから、こう言う切り口もアリなんじゃないかな、というところを見つけていきたいと思ってるんです。
ただ、ドラムロベースなどは普通の人型だとキツイですけど」
――それが今回の「ティタニア」にも?
「やはり人が入っているように見えるくらいフォルムを人に近づけてみたいなと。
例えば大型のバイオ兵器に金属に見えるくらい加工して磨きあげた甲羅のような物を着せてみたい感じですか。
前のオーラファンタズムって素材感を重視してたじゃないですか。
それを、素材感というよりも加工技術をもう一歩進めて、よりアーマーらしく、それも分厚いアーマーというより薄く体を覆うくらいのものとして装着させてる感覚で、アプローチしてみようと思って描いてみたんです。
前のヤツって、外骨格生物そのままって感じがあったじゃないですか。
カニとか。
いわゆるナチュラルな素材感を重視すればするほど外骨格生物系のテイストというのが強まっていくと思うので、そうじゃない甲冑や鎧という部分にもっていきたかったんです」
――「ティタニア」の設定のイメージは?
「イメージ的には女性用にしてみようかと。
女性が乗るから女性の体にしているのかっていったらそれは違うんだけど、フォルム的にそういう部分を入れ込んでみようかなと思ったんです。
で、ゲドをベースに1番最初の、巫女のために作られたものがこれで、男性が乗る、装甲がもうちょっと簡易なゴツイものに替えたものもゲドベースで考えられるかなと思っています。
描いているうちに女性的とは言えない感じになっちゃいましたね(笑)」
――同じ中身でも、被せたものが替わると、機体名も変わるかもしれないわけですね。
「そうなってくると、ゲドとダンバインってものすごくボーダーラインがあいまいになってくるんですけど。
つまりデザイン的に似ている鎧を着てても、着てる人間(人種)は違っているかもしれない。
逆に異なったデザインの鎧を着ていても中は同族の場合だってある。
機種を決めるのは外見ではなく中身なんではないか、要するにそういう考え方です」
――中身と外見をバラバラに選択していく意味はどこにあるのでしょうか?
「これは乗り手の個性によって変わってくるんじゃないでしょうか。
パイロットとしての能力が認められている聖戦士的な者が乗るのは、性能が機体、つまりゲドでもドラムロでもなくダンバインでしょう。
しかし世襲でなったパイロットとして能力が低い騎士は、ゲドなら乗りこなせるけどダンバインはダメなわけです。
でも戦士としての能力ランクと、騎士の家柄の階級って違うと思うんです。
家柄のいい騎士であれば、やっぱり装飾的な部分ではいい装飾を付けられる。
外の装甲そのものは外に対してのアピールで、家柄や自己の位であるとかいう部分を表すものであるわけです。
それと、TVでは機種によって武器もほぼ決まってたじゃないですか、そうではなくて騎兵にあたるランスを持っているヤツもいるかもしれないし、接近戦でモーニングスターを振り回しているヤツもいるかもしれない。
お前は工兵でお前は騎兵、といった感じで職種で決まったり、本人の好みで変えるとか。
そうすれば武器もバリエーションをつけられるかなと思います」
――昔のオーラファンタズムを知っているダンバインファン、そして最近のリニューアルキットからファンになったという読者にメッセージをお願いいたします。
「ダンバインというのは例えばガンダムとは、スタートの仕方が違ってると思うんですよ。
ガンダムは、コレがガンダムだという部分がある程度、決まっている気がするんです。
だから遊びや余裕はないですよね。
ただ、煮詰めていくことに関しては楽しさを覚えるアイテムなわけですよ。
それに対して、ダンバインは最初に初まった頃から色々なアプローチを容認しちゃった。
作品自体で宮武さんのカラーもあれば、僕やビィーボォーのそれもある。
だからモデラーさんたちもオーラバトラー表現方法に幅を持たせることができたんじゃないですか」
――出渕さんもオーラファンタズムという形で関わられていました。
「Bクラブとかの雑誌展開で僕みたいな(オフィシャル側の)ヤツがいいよってやっちゃうと、これもありなんだって感じになるでしょ。
それであえて自分でもビジュアル的に展開した所があったんです。
例えばオーラファンタズムみたいなやり方もあるだろうし、違うアプローチの仕方もあるだろうし」
――今回もそういったアプローチをファンにも楽しんでほしいということでしょうか。
「ただ、ここで誤解しないでほしいのはさまざまなアプローチができる分だけ、その人のオリジナリティーであるとか技術力とかが問われてくるアイテムであるということ。
ガンダムなんかだと、これ押えとけばそう見えるというある程度の合格ラインというのがあるんです。
だけどダンバインの場合、その人の作家性みたいのが反映されてきちゃうんで、ボロいものはものすごくボロく見えてしまうんですよ。
『何やってんのお前!?』っていうようなオレ的な物、マスターベーション的ものを露呈しやすい環境でもあるわけです。
それだけ、覚悟がいるアイテムでもあるってことかもしれませんね」
第2回「ガーシム(GAH-SIM)」電撃ホビーマガジン2000年11月号
一般兵士用に製作されたドラムロベースのオーラバトラー。
戦歴を重ねて昇進した(つまりたたき上げの)兵が使用した。
突撃しながら左手のラウンドシールドで敵の攻撃をさばき、右手のモーニングスターで叩き潰すような戦い方を得意とする。
通常の腕の上から、ドラムロのような大型爪アタッチメントを装着することも可能である。
■ガーシムについて
――ベースはドラムロなんですよね?
「ドラムロというのは、あれ自体のデザインは好きなんですけど、戦闘シーンで一般兵士用のメカとしてたくさん出てくると、いかにもなやられメカになってしまうんです。
かたまり感がありすぎて、腕に剣を持ってもアクションシーンなどで躍動感には欠ける。
やはり手足がきちんと人型のほうが、剣を振りかぶったときなどは迫力がでるんですよ。
だから、今回はモーニングスターとラウンドシールドを構えて荒あらしく戦うのが似合うような感じにしたんです。
それに、頭部の形状を見てもらえばわかるんですが、アーマーも中世的な甲冑ではなく古代ギリシャ風のものになっています。
オーラバトラーはこういったものも似合うと思うんです。イメージとしてはたたき上げの拳闘士あがりが乗っている感じですね」
――なぜ人型のドラムロを?
「前回、ドラムロベースは人型ではきついって言っちゃいましたけど、後で良く考えてみたらそれも無理なくできるんじゃないかと。
だからガーシムはガドラムよりもパーツ構成的にはドラムロを踏襲しつつ、今回の(オーラファンタズムの)コンセプト通り人型をしている。
頭部なんかも、ドラムロと違い見えている部分の下まであって、上を見上げたりするとあごが見えたりするわけです。
ちゃんとドラムロに見える人型になったと思うんですが、どうでしょうか?」
ガドラム
旧『オーラファンタズム』で描かれたオリジナルオーラバトラー。
ベースとなったのはドラムロで、映画『ダ−ク・クリスタル』に出てくるガーティム(今回、ガーシムの名前はここからとられている)やマタマタガメもモチーフとした生物的表現が全身になされている。
第3回「ダゴン(DAGON)」電撃ホビーマガジン2001年1月号
戦功を挙げた戦奴用に作られたビランビーベースのオーラバトラー。
他国から連れてこられた奴隷戦士が、外装に自分のアイデンティティを投影した機体である。
戦士の故郷が海辺に位置していたため甲冑に魚の意匠が施され、投網やトライデント(三叉剣)といった武器が装備されることが多い。
投網で相手を絡めてから三叉剣で突くといった戦法を得意とする。
■ダゴンについて
――名前はやはり?
「深海の神(※)から持ってきました(笑)。魚人的な外見をしていますから」
――デザイン的には?
「魚類系をモチーフにした甲冑というか兜があるじゃないですか、地中海の方で。
どちらかといえばそういう意匠を施して、アニメーションのビランビーをもう1回甲冑的に再構築してみようと考えたのが、今回のダゴンですね。
魚類に羽がついているなんて変ですけど。
トビウオの様なヒレが付いているものをイメージしています。
魚にもいろいろな種類がありますが、ナポレオンフィッシュのような、ビランビーのスタイルに近いもののイメージを加味しながらまとめてみました」
「最初にビランビーのデザインをした時もやはり魚類系のイメージがあったんですよ。
宮武(一貴)さんのマサラグ準備稿を元に富野(由悠季)さんが描いたラフに、こんなトサカみたいな物がついてたじゃないですか。
あれが魚の背びれみたいな印象があったんで、自分のラフの時にはそちら側に持っていったという経緯があったので、今回はその第1印象部分をもうちょっと煮詰め直してみました。
当時は宮武さんのマサラグがあるというのは知らなかったですから、後で(準備稿とラフを見比べて)胸のハッチの開き方とかトサカの部分を見て、あぁなるほどねと思ったんです。
元のマサラグは触角とか鼻があって、どちらかというとゾウムシのような感じだったんですよね。
だから先々ゾウムシ的な物をやるかもしれないですけど、今回は元になったマサラグの方はあまり考えていないです」
※H.P.ラブクラフトの名作「インスマスの影」に登場する魚人が崇める神「ダゴン」のこと。
もともとは古代ペリシテ人によって実際に信仰されていた、上半身が人で下半身が魚の神ダゴンをモチーフとしている。
ネット上にあまり情報がないみたいなので、電撃発掘ついでにUP。
多分この3回のみ。
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