05/12/24-07:49
機甲戦記ドラグナー DVD-BOX福田己津央インタビュー:シャア専用ブログ
色々ありましたが、僕はドラグナーが好きなんですよ
『ドラグナー』は僕が初めて演出をやった国内作品で、非常に印象深い作品です。
演出陣も途中でずいぶんと入れ替わり、最後まで担当したのは僕と日高政光さんぐらいですね。
僕の名前も最初は下から2番目でしたが、最後には最終回を任せていただけました(笑)
この作品は1stガンダムを再構築すると言う企画意図でした。
機動戦士ガンダムZZの頃は玩具の売上に陰りが出ていた時代でしたからね。
ところが、ただ「1stガンダムみたいに」と言われただけで、明確な方向性の指示は一切なかったんですよ。
このために僕ら演出はずいぶん悪戦苦闘しました。
とにかく時間がありませんでした。玩具の発売スケジュールは既に決まっていましたからね。
ところが、監督の神田さんが方向性、テーマを見つける前に、世界やメカの設定が走りすぎてしまい、
作品として「視聴者に何を伝えていくのか」と言うことがお留守のままスタートしてしまった感がありました。
最終的に、『家族」【友情】【戦争」に落ち着きますが、これらの要素をかみ合わせる作業が、
監督もフィルムを作りながらだったように思います。そのためこの戦争に主人公たちが
こだわる意図も、ギガノス帝国の規模も満足に描けなかったと思います。
また、作中ではメタルアーマーの特徴をきっちり表現できなかったのが残念です。
【ガンダム】のMSのようなキャラクター性や、機能、性能を子供たちに分かり易く伝えることが出来ませんでした。
コレは本当に僕たち演出の無能さだったと反省しています。バイク型メタルアーマーを出す
と言うセンスは論外ですが、例えば新要素として電子戦がありました。
しかし、目に見えないようなものをアニメで面白く描くやり方を、当時は誰も思いつくことが出来ませんでした。
やがて作品イメージがトップガンに決まり、メカも航空戦略的な演出に向き始めたと思います。
ドラグナーの足のラインなども、戦闘機のマーキングを意識されていたように思いますが、
具体的に、それをストーリーの中で活かすようなシナリオはとうとう出てきませんでした。
タイミングが遅かったのかもしれません。参考のため演出人で「トップガン」を
見に行きましたが、あそこまでのレベルで空中戦を上手く画面にすることは出来ませんでした。
個人的には、小道具が活かせなかったのが残念です。アサルトナイフもショルダーボムも
ただデザインとしてついてるだけになってしまいましたからね。当時、
「ナイフ使っていいんですか?」って聞いたんですが、監督には、「悪役っぽいからやめよう」
って却下されてしまいました。監督が要らないものを誰がつけたんでしょうね。
「SEED]で主人公機にナイフを持たせたのはそのときの再チャレンジです(笑)
また、主人公たちの母艦が、輸送船、空母、宇宙船と次々に変わったため、
手の込んだ発進シーンがつくれなかったのも心残りでした。
当時、神田監督から聞いた話では、最初は「ビーバップハイスクール」みたいな作品にしたかった
らしいいんです。ケーンがリーゼントだったのはそういうわけなんですよ(笑)
本当はスタジャンも黒にする予定だったけど、そういったテイストが自然に消えていきましたね。
何処からの要請でそうなったのはわかりませんが、監督の作風に合わない要素が増えすぎていって、
設定だけが一人歩きしていたんじゃないでしょうか?神田さんは、
「スピード感があるものって得意じゃないんだ。」とよくこぼされていました。
神田さんのヒット作「バイファム」もそうですが、非常にキャラクターをいきいきと描く方でしたので、
後半に出てくるグン・ジェム隊の方が性にあっているというか、好きだったんではないでしょうか?
あんなふうに、「漫画っぽいけどリアル」という方向性が最初から出ていれば、
【ドラグナー】は全く違った作品になっていたと思います。
上田監督は特に台詞に気を使われていました。
【台詞が良くないとキャラが立たない」、と。昨今よく見られるような、
キャラが(違)っても成立するような台詞を、神田監督は使いませんでした。
もうひとつは、「TVアニメはアップで良し」とも。アクションの迫力もそうでしたが、
キャラクターの表情を見せ、感情移入させるにはアップで描け、と言うことでした。
今も非常に心に残っている言葉です。僕は神田さんに良くかわいがられて他と思います。
下っ端演出にしては生意気だったし、やりたい放題でしたが、
それを許してくれた監督の度量には今も感謝しています。
色々と辛いこともありましたが、僕は本当に自由にやらせてもらっていたと思います。
セル枚数も最初の頃は5000枚以上使っていましたね。
当時のアニメにしては多かったと思います。
あと、第32話の光の玉が飛ぶシーンとかは、透過光とは違うものを使ってみたくて、
撮影監督が特殊なライトを用意して撮影してくれました。
変えの無いランプだったので、全部の撮影が終わるまでハラハラだったと聞きました。
最後のカットを取り終えたと単に切れたそうです(笑)
当時は他の演出に出来ないことを目指してましたね。
同時にどうすれば子供たちに受けるかを全演出で集まって色々と考えていました。
僕が担当した回はスーパーロボットの要素を意識していたので、わかりやすい話に
なっていると思います。最終回はトップクリエイターが終結していたので、
演出としては非常に楽しかったですね。
「SEED]平井久司さんがギルガザムネとドラグナー、ファルゲンの戦闘シーンを
担当していますし、Bパート頭の戦闘は重田智さんが担当しています。
大貫さんのキャラも、大河原さんのメカも非常にグレードが高かったですし、
作画陣にはトップクリエイターもそろっていました。
作画のクオィティは「ZZガンダム」以上に高かったですね。影もついていましたし。
作品を作ることに関してはスタッフの誰もが頑張っていました。
僕も初めてコンテと演出の両方を任された作品ですから、
がむしゃらにやった」作品です。思い入れが強いがゆえに、「ドラグナー」
と言う作品に足りないものを感じました。作品の軸がわかり辛かった。
テーマが徹底できなかったことが影響したと思います。
でも、意義のあった作品だと思います。
神田監督らしい暖かさが端々に表現されていますし、
監督には色々なことを教えていただきました。
また、プロデューサーの吉井孝幸さんが後に始めた「魔神英雄伝ワタル」や勇者
シリーズも、この作品の結果があったからこそのヒットだと思いますし、
僕の「SEED」の成功の要因のひとつにも、このドラグナーの経験があったからこそです。
同じ、「ガンダム」をベースにした以上、同じ轍を踏まないように気をつけました。
「SEED」の1話と最終話は「ドラグナー」を意識していますから、
両者を比較して見ると面白いのではないかと思います。
ジャスティスの背中にリフターと名づけたり、続編のDESTINYで
MSの航空戦をやってるのも、僕なりのドラグナーへのリスペクトです。
みなさんもこのDVDを見て確認してみてください。
【チャット・age厳禁】デス種失敗の理由 Part78
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1135270189/ より。
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