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05/11/06-17:25

機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST 福田己津央監督インタビュー:シャア専用ブログ

―「機動戦士ガンダムSEED」(以下「SEED」と略)に続く作品ということで、
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」(以下「DESTINY」と略)のテーマソングに
ついて、最初に考えたことはなんでしたか?

福田:基本的には、キープ・コンセプト。楽曲としてのパワーは2割増し、3割増しを
   予定しつつ、狙っていく方向性は「SEED」と同じ路線と考えていました。


―そのコンセプトのもと、第1期オープニングテーマはT.M.Revolution、エンディングテーマは
玉置成実さんと、「SEED」ファンには納得のアーティストの起用となったわけですね。

福田:続編というのはクリアしなければならないハードル、そして周囲の期待も高くなって、前と
   同程度のものを出したのでは、誰も納得しないものなんです。それでも監督として「DESTINY」
   をやっていくために必要なこととして、僕は最初に三つのお願いを製作側にしたんです。
   そのうちのひとつが、第1期のオープニングテーマはT.M.Revolutionでいかせて欲しいと
   いうこと。「DESTINY」を始めるにあたって、彼の歌は必要不可欠なものと考えていました。

―なぜ必要不可欠だと考えたのですか?

福田:「DESTINY」のテーマソングのカラーを代表するのが、彼だったんです。
   以後、いろいろなアーティストの方々に参加していただくんですけど、そのためにはテーマ
   ソングの基本軸を最初に明らかにする必要がありました。第1期の後は、甘めにいくのも
   ハードにいくのもありなんですが、まずは基本はこれだと。
   それから僕にとっては、ストーリー作りにテーマソングが大きく影響するんです。ほかの
   アーティストの方を最初にもってきたら、もしかしたらこの作品は違うストーリーになって
   いたかもしれない。T.M.Revolution を一発目に持ってくるというのは、自分の中に「DESTINY」
   の物語を成立させるための、非常に微妙かつ重要なポイントでした。

―西川さんとは、かなりメールのやり取りをされていたということですが。

福田:曲が出来るまでは頻繁でした。お互いに激励が多かったですね。「SEED」は彼の一部でしか
   ないんだけど、それでも1年間一緒にやってきたので、こちらのことを非常によく理解してく
   れているんです。だから、改めて説明することもなく、合意事項が多くて、曲作りは非常に
   スムーズに行きました。そして、こちらの想像以上の楽曲が出来上がってきたので、うれし
   かったですね。

―「ignited−イグナイテッド−」の歌詞の印象は?

福田:僕がこれから描こうとしている内容を、明確な言葉で詞にしてくれました。これは侮れないな、
   と(笑)。僕は、シン・アスカのことを歌っていると解釈しました。歌詞から受け取ったイメージ
   が非常に大きくて、こちらが決めかねていた部分が明確になり、さらに膨らませることが
   できたんです。この曲が最初にあったことが、「DESTINY」が成功した最大の要因だと思って
   います。

―ファンにとっても、最強のタッグと捉えられていると思いますが。

福田:逆に、いい形で組めすぎたので辛い部分もあるな、と(笑)。彼も「SEED」そして「DESTINY」の 
   イメージと近くなり過ぎちゃうと、アーティストとしてのデメリットがあると思うし、こちら
   としても、ほかのアーティストさんが参加してくれるときどうかな、と。そういった意味で、
   このあと「DESTINY」に新人や大物のアーティストの皆さんがガンガン乗ってきてくれたのは、
   うれしかったです。

―パワフルな若手の女性ボーカリストというのは、第2期オープニングテーマ「PRIDE」を歌った
HIGH and MIGHTY COLOR のマーキーさんや、第3期オープニングテーマ「僕たちの行方」の高橋瞳さん
にも共通している要素ですね。

福田:HIGH and MIGHTY COLOR を選んだ理由のひとつには、彼らのアーティスト写真を見た時にピンと
   来るものがあったからなんです。ここはトールやカズイがいっぱいいるな、と(笑)。
   グループというのは今までなかったけど、ありかなと思いました。

―第1期よりも、曲調はハードになっていたと思いますが。
福田:僕としてはハードな演奏や男性のラップも良かったけど、女性ボーカルをメインに曲を構成してほしい
   と依頼しました。マーキーさんの声には、微妙な揺れがあって、若者らしい感情が出ていて良いな、と。

―味があるボーカルだったということですか?
福田:そう、これはいけると思いました。きれいに歌い上げるのもいいけど、こういう震えのある声にも
   すごく魅力を感じたんです。実はテレビのオンエア・バージョンは、CDバージョンより、彼女の
   ボーカルがさらに立っているキミングになっています。彼らの音楽性については、CDで聴いてもらう
   として、オンエアではわかりやすく視聴者に伝わるようにしたかった。なぜそうしたかというと、
   みんながステレオのテレビで観ているわけではないからです。小さな画面のモノラルのテレビで
   観ている人には、ボーカルが中心になっていないと曲が伝わりづらい。まずはマーキーさんの
   声の魅力を、みんなに聴いてもらいたいと思ったんです。

―一方、第2期エンディングテーマは、実力派の有坂美香さんによる「Life Goes On」でした。
福田:この曲は、梶浦由記さんが作曲ということがわかっていたので、ボーカリストは歌唱力という
   一点で選びました。うまいし、声質も好きでした。深みがあって、ソウルフルな雰囲気もある。 
   そういう声も「DESTINY」には合うのではないかと考えていて、有坂美香さんはそのライン上に
   浮かんできた人でした。

―「DESTINY」のどういう部分が、有坂さんのようなボーカルと合致すると考えたんですか?
福田:いや、はっきりとした根拠みたいなものはないんです、感覚ですよ(笑)。単純にフィーリングで
   こういう声がいけるんじゃないかなと。音楽に関しては、僕は理屈じゃないんです。僕の好き嫌い
   だけで選んでいるのかと聞かれると、正直に言えばそうかもしれない、と。結局のところ、「DESTINY」
   のストーリーや画面のテイストは、僕の中から生まれてくるものなので、これに曲が合うか合わないか
   は、僕がその楽曲に惚れ込めるか否か、という部分がかなり大きいと思います。ソニー(・ミュージック
   エンタテインメント)さんもビクター(エンタテインメント)さんも、そこは非常に気を使って
   くださって、こちらのオーダーをくんでいただけるので、とても助かっています。

―「機動戦士ガンダムSEED COMPLETE BEST」のブックレットに掲載されたインタビューで、「オープニング
 テーマとエンディングテーマのカップリングにも気を配っている」とおっしゃっていましたが、第2期は
 対照的なアーティストの、対照的な2曲だったと思います。
福田:そうですね。第2期はエンディングテーマの有坂さんが先に決まっていたので、エンディングが
   こう来るならオープニングは誰がいいか、ということもあって彼らを選んだ部分もあります。

―第3期オープニングテーマ「僕たちの行方」を歌った高橋瞳さんも、HIGH and MIGHTY COLORと同じように
 新人アーティストでした。
福田:高橋瞳さんの場合、候補曲のデモはかなりラフの状態で、完全に未知なる存在だったんですが、
   それでもとても気になるものがありました。

―その最初にお聴きになった「僕たちの行方」のデモは、もっとテンポがゆっくりで、オープニングよりも
 エンディングにふさわしいような曲調だったそうですね。
福田:そうでしたね。でも、のちに出来上がった曲を聴いたらテンポもアップしてるし、作品の世界観
   と非常にマッチしたものになっていて、ああ、なるほどと納得しました。それに、その当時15歳
   でこのパワーか、と。すごい女の子だなと思いました。

―高橋瞳さんのボーカルの魅力は?
福田:若さゆえの声の揺れ方ですね。力強い歌声なんですけどそれだけでなく、やるせなさ、切なさが
   非常によく表現されている声だと思いました。

―そこもHIGH and MIGHTY COLORのマーキーさんと共通する部分ですね。
福田:そう、どっちも若い危うさ、若い痛々しさ、一生懸命さがすごく伝わってくるんです。ただ単純に
   クオリティが高いというだけでは、曲は若い人の心には届かないと思うんです。やっぱり若い時
   にしか歌えない歌を、自分たちと同年代のアーティストが歌っていることが大事。そういう意味では
   彼女のセレクトは、非常に良かったと思います。ただ、映像とのマッチングい関しては、ちょっと
   苦労したかな(笑)。

―それはどういう部分でしょうか?
福田:疾走感がある曲じゃないので、キャラクター中心の見せ方をしたほうがいいのかな、と。
   絵をはめてみるまではどうなるか不安があったんですけど、出来上がった映像を見ると、なるほどと
   思える部分がありました。キャラクターの内面に入りこむような映像で、僕の趣味にも合いましたし、
   いいオープニングになったと思います。

―そして、第3期エンディングテーマは、Rie fu さんの「I Wanna Go To A Place…」ですが、この曲
 のポイントは?
福田:Rie fu さんは僕の印象として、ちょっとオールド・テイストのような感じがしたんです。僕らが 
   若い頃に聴いた音楽のような。今までにないタイプで、これはめちゃめちゃはまるんじゃないか
   と思い、彼女は即決でした。イギリス在住ということで、英語もきれいなんですよね。

―「I Wanna Go To A Place…」はもともとモチーフはがあったけれども、完成してない曲だった。 
  それを「DESTINY」のために彼女が詞を書き足して、メロディを作り直したということですが。
福田:そうですね。高橋瞳さん同様、全然出来上がっていない状態のデモを最初に聴いたんですけど、
   声と音楽の存在に心を動かされて、彼女でいこうと思ったんです。小さい頃にアメリカで暮らしていて
   今はイギリスでしょう。そのせいなのか、日本ではあまりお目にかかれないような曲調だったので、
   これにふさわしい絵をエンディングでかぶせてみたいなと。

―それで過去に死んでしまったキャラクターも含めて、みんなが幸せそうにしている絵が出来上がった
 んですね。また、この曲も話数によってイントロが変わったり、さらにフル英語詞バージョンが流れたり
 と、使い分けられていました。

福田:この曲に限らず、エンディングテーマは何パターンもイントロを作ってもらっています。フル英語詞
   バージョンは、アウルとトダカが戦死した回(PHASE-28「残る命散る命」)とステラが死んだ回
   (PHASE-32「ステラ」)で使いました。実は、アニメのエンディングテーマということで英語詞は
   なくしたほうがいいという意見もありました。でも、彼女の英語の感触が耳に心地よかったし、僕自身
   英語詞の曲が好きだったので、やってみたい、と。結果的にエンディングのバリエーションが増えて
   良かったと思います。

―第4期はオープニングテーマがCHEMISTRYの「Wings of Words」。これは今までと全く雰囲気が違う
 ものになりましたね。
福田:CHEMISTRYは、彼らの曲調的にエンディングテーマでどうでしょうか、ということだったんです。
   でも、僕はオープニングテーマにしてもいいんじゃないかなと思いました。

―オープニングテーマがスローな曲でもいいのでは、という考えがあったことは、先ほどおっしゃられて
 いましたね。
福田:ただ不安もあって。というのも、彼らの曲は、あえてアニメの映像に乗せる必要がないような気がしたんです。
   歌の世界観が強くあるので、映像とのマッチングが難しいんじゃないかな、とも。出来上がった
   曲は、すごく良かったと思いますが、やはり映像に合わせるのには苦労しました。

―作詞は森 雪之丞さんでしたが、歌詞について監督から何か要望をお伝えになったのでしょうか?

福田:応援歌にしてほしいとお願いした記憶があります。聴いている人たちを癒すのではなく、励ましてほしい、と。
   強いドライブ感で聴き手の気持ちを引っ張り上げるのではなく、下から押し上げてくれるような
   内容の歌詞を書いていただきました。

―一方、エンディングテーマはSee-Sawの「君は僕に似ている」。「SEED」の前半のエンディングテーマ
  「あんなに一緒だったのに」を歌ったユニットとして、ファンにはおなじみですね。

福田:See-Sawに関しては、T.M.Revolution を第1期オープニングテーマにもってくるのと同様、第4期の
   エンディングテーマとして使うのは、僕の中での決定事項でした。「DESTINY」は、T.M.Revolution
   で始まって、See-Sawで終わりたかったんです。特に曲について要望は出しませんでした。「あんなに
   一緒だったのに」という強い歌が前にあったので、今回はその路線をさらにクオリティ・アップ
   したものを作ってほしい、と。最後のエンディングテーマにふさわしい曲が出来上がってきたと
   思います。

―See-Sawの曲で、しかもタイトルに「君」と「僕」という言葉があると、どうしてもキラとアスラン
 の歌なのかなと思ってしまうんですが。
福田:いや、そこはもっと広い意味で捉えてほしいですね。イメージを限定するのではなく、この曲を
   聴いて「DESTINY」のいろいろな側面を考えていただきたいです。

―物語のクライマックスのために重要な一曲という感じがします。そしてもう一曲、終盤に重要な曲として
 T.M.Revolution によるテーマソング「vestige-ヴェスティージ-」があると思いますが。
福田:この曲に関しては、西川くんとソニーさんにありがとうございます、と(笑)。こちらのイメージとしては
   彼に「SEED」の時の「Meteor-ミーティア-」のような位置づけの曲をもう一作作ってもらいたかった。
   僕は「ignited-イグナイテッド-」のカップリング曲だった「夢幻の孤光(アーク)」が好きで、
   ああいうタイプの曲が欲しかったんですけど、結果的にそれを超える一曲を作っていただきました。

―具体的にはどんな依頼をされたんですか?
福田:僕がお願いしたのは、キラのイメージでかいてほしい、と。「ignited-イグナイテッド-」には
   すごくシンというキャラクターを感じたんですね。その対極として、彼が歌うキラのテーマが欲しかった
   んです。でも完成した曲を聴いてみたら、キラだけじゃなくて、あの世界に生きている全ての
   キャラクターの思いを代弁する曲になっていて、これはうれしい誤算でした。でも、本編では当初の
   予定通り、キラのシーンに使わせてもらいましたが(笑)。

―「この曲によって、クライマックスへ向けて監督のモチベーションが上がるんじゃないか」と、西川さんが
 以前おっしゃっていましたが、いかがでしたか?
福田:それはありますね。だって、この曲がかかるシーンは全て、僕自身が絵コンテを描いてますから。
   モチベーションが上がったのと同時に、こちらからお願いして書き下ろしていただいた曲なので
   相応の応え方をしなければいけないだろう、と。オープニングテーマやエンディングテーマなら
   毎週流れますが、劇中に使うテーマソングはそうはいかないので、力強くプッシュしていきたいと
   思いました(笑)。

―そしてPHASE-23「戦火の蔭」でも使われた「SEED」の挿入歌「Meteor-ミーティア-」など含めて、全ての
 テーマソングがこの一枚のアルバムにまとめられたわけですが、全曲を通して聴いてご感想はいかがですか?
福田:いろいろなアーティストの方に、素晴らしい曲を提供していただいて、幸せなシリーズでした。
   このCDに収録されている曲が全部、ひとつのアニメ作品のテーマソングだったというのは、なかなかすごいことですよ。
   そしてこのアルバムを聴いて「DESTINY」を見て感じたことなどを思い出してもらえたらうれしいです。

種死コンプリートベスト買った奴ちょっと来い
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1130922232/ より。

関連
機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST 発売決定
http://www.sonymusic.co.jp/anime/destiny/

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