05/12/22-23:39
R25 No.45 富野由悠季インタビュー「富野さん。ΖのシャアってR25世代なんです。」:シャア専用ブログ
エンターテインメントを楽しくやりましょうよって。
―――まずはΖガンダムの映画化についてですが、監督は「現在の世の中に対するカウンターとして改めてこの作品を作
りたい」と語っていますが。
富野 普通にエンターテインメントをやろうと。主人公の精神が崩壊してしまうかもしれないとか、単純にひどくキレた
ヤツだとか、20年前は社会にそういう“匂い”がしてたんです。そうしたら現実がモロにそうなっちゃった。もう
そんな話をするのがイヤになっちゃったんだよね。Ζでさえポジティブにできるぞ、現実もそろそろみなさんここ
まで行きましょうよっていうのが今回の新訳。ニュートランスレーションとしてのΖガンダムっていうことなんで
す。
―――Ζのなかでも、とりわけクワトロ・バジーナ(=シャア)の存在は際立っています。今回本誌のアンケートではシ
ャアのような上司につきたいという意見が多かったんです。
富野 ものすごくよく分かります。人と人の主体性が見えるから信頼できるんですよ。私があり私に対してお前が居て、
それだけじゃなくて、お前もやれって言ってくれる。ただやれじゃなくて、俺もやる。だから部下だって何を言わ
れてるのかがわかる。自分自身が大人をやらされて思うことは、人の存在っていうものを感覚的に実在としてわか
って、何かをやろうって言ってくれる大人はとにかく少ないってことだね。
―――人間同士の認識が薄いということ?
富野 じゃない、と。サラリーマン一般でいうとまず自分が達成しなくちゃいけないっていう義務設定を実行するのが先
になっているような気がするんです。そのために部下を、自分の手足に使うという方法でしか誘導できなくって、
こっちにはこっち、あっちにはあっちっていう使い分けをしたりする。コミュニケーションをとるっていうことを
身にしみてないから、お前は! って叱ってあげることもしなければ、きちんとケアするということもしてやって
ないんだろうね。
―――それをシャアがやっているからこれだけの支持を受けているんですね。ガンダムはシャアを中心にストーリーを追
っていくと、また違った面白さがあります。
富野 あの通俗的なヒーローが、ファーストのあとも生きなくちゃいけないんだなったときに、ヒーローのままで死んで
いける大人ってそんなにいないわけでしょ。若くしてヒーローをやってしまって今度は、辛気くさい現実があって
だけどどうせだったら死に花咲かせたいよなって思ったんだろうな。そうしたらやっぱり案外うまくいかなかった
のが逆襲のシャア。そういうキャラクターを造形できたっていうのは、作り手としてはまぁ悪くなかったと思う。
こういうパッケージを手に入れられたガンダムっていうのは、幸せだったんじゃないかな。
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